PET検査

ホウ素のがんへの集積状態を画像化し、
BNCTの適応・不適応を診断する

 BNCTを行う際には、治療対象のがんにホウ素(10B)が集積していること、周辺の正常組織には集積していないことが必要です。がんへの10B集積性は中性子を照射した場合の吸収線量に直接影響します。また、正常組織への低集積を確認することによって、BNCTを安全に行うことが可能になります。
特定の化合物の臓器集積性をヒトで測定する場合、陽電子放射断層法(Positron Emission Tomography、PET)を利用することができます。PET検査は極微量の放射性化合物・医薬品を投与した後、その全身分布を画像化します。がんにホウ素(10B)を運ぶための担体を放射性核種で標識し投与すると、患者さんごとにがんへのホウ素集積性を推定することができます。

がん集積性の高いホウ素化合物 ボロノフェニルアラニン

図14 フェニルアラニン(phenylalanine)は芳香族アミノ酸のひとつで、活発に増殖するがん細胞ではその代謝が亢進しています。細胞内では合成できないため、血液中のフェニルアラニンを大量に取り込んで利用します。フェニルアラニンをホウ素(10B)で標識したボロノフェニルアラニン(borono-phenylalanine、BPA)もがんに大量に取り込まれます。BNCTでは、このBPAを主なホウ素担体として用いています。
 BPAの体内分布をPETで画像化するためには、BPAを放射性核種18Fで標識した化合物フルオロボロノフェニルアラニン(18F-fluoro-borono-phenylalanine, FBPA)を用います。FBPAもBPAと同様にがん集積性の高い化合物です。

頭頸部がん 集積例・脳腫瘍疑 非集積例

図13